パブリック・コメント制度について

国の行政機関は、政策を実施していくうえで、さまざまな政令や省令などを定めます。これら政令や省令等を決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民の皆様から意見、情報を募集する手続が、パブリック・コメント制度(意見公募手続)です。

目的及び根拠

パブリック・コメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

平成17年6月の行政手続法改正により法制化され、それまでの「規制の設定または改廃に係る意見提出手続(平成11年閣議決定)」に基づく意見提出手続に代わって導入されました。

(参照)行政手続法 第6章 意見公募手続等新しいウィンドウで開く(第38条~第45条)

対象

行政手続法に基づくパブリック・コメントでは、命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すもの)に対して意見を提出できます。
(ただし、一部例外があります。(行政手続法第3条、第4条及び第39条新しいウィンドウで開く第4項))

政令憲法及び法律の規定を実施するために内閣が制定する命令
府省令各府省の大臣が、主任の行政事務について制定する命令
処分の要件を定める告示国の行政機関が決定した事項等を広く一般に知らせるためのもののうち、処分の要件を定めるもの
審査基準申請に対して許可等をするかどうかを法令の規定に従って判断するために必要な具体的な基準
処分基準不利益処分をするかどうか、どのような不利益処分とするかについて法令の規定に従って判断するために必要な具体的な基準
行政指導指針同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとする際に各行政指導に共通する内容

パブリック・コメント手続の流れ

パブリック・コメント手続の流れ

命令等の案の公示

パブリック・コメント手続に付する命令等の案の公示は、行政手続法第45条新しいウィンドウで開く第1項において、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとされています。また、「行政手続法の一部を改正する法律による改正後の行政手続法第四十五条第一項の公示に関し必要な事項を定める件」(平成18年2月3日 総務省告示第78号)PDFにおいて、前述の方法により行う公示は、「e-GovのWebサイト」を利用して行うこととされています。

意見提出の方法

各意見公募案件の担当部局が定める適宜の方法(e-GovのWebサイト等)で意見を提出することができます。なお、意見の提出期間は、原則として案の公示日から起算して30日以上とされます。具体的な意見提出締切日は、e-Govの意見募集案件一覧「受付締切日時」の内容をご確認ください。

結果等の公示

パブリック・コメントを実施して命令等を制定した国の行政機関は、当該命令等の公布と同時期に、(1)命令等の題名、(2)命令等の案の公示日、(3)提出意見及び(4)意見に対する行政機関の考え方について公示を行います。また、パブリック・コメントにおいて提出意見がなかった場合は、意見提出がなかった旨、パブリック・コメントを実施したものの命令等を制定しないこととした場合は、制定しない旨を同様に公示します。なお、公示の方法は、案の公示と同じく「e-Gov」のWebサイトを利用して行われます。

行政手続法に基づくパブリック・コメントの例外

行政手続法に基づくパブリック・コメントには、以下のとおりいくつかの例外があります。また、例外事項に当たる場合には、行政手続法の規定に従ったパブリック・コメントを実施しなくてもよいこととされています。ただし、以下の2に当たる場合は、パブリック・コメントを実施しなかった理由や命令等の趣旨に関する公示が行われます(行政手続法第43条新しいウィンドウで開く第5項)。

  1. 行政手続法の定める適用除外規定(行政手続法第3条新しいウィンドウで開く第2項及び第3項、及び第4条新しいウィンドウで開く)に該当する命令等
  2. 上記1に該当しないものであっても行政手続法第39条新しいウィンドウで開く第4項各号に該当する命令等

前述の例外事項に当たるものや、そもそも「命令等」に該当しないものであっても、各行政機関の任意により行政手続法の規定に準じたパブリック・コメントが実施されています。この場合の公示方法は、必ずしもe-Govを利用して実施されるとは限りませんが、e-Govを利用する場合には、「任意の意見募集」の案として掲載されます。