移動等円滑化の促進に関する基本方針の一部を改正する告示の制定案について    (改正概要) 令和7年10月 国土交通省総合政策局 共生社会政策課 Ⅰ.改正の背景  「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)」に基づく「移動等円滑化の促進に関する基本方針」(以下「基本方針」という。)における第3次バリアフリー整備目標の期限が令和7年度に到来することから、「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」を開催し、令和8年度以降の第4次目標の設定に向けて検討を重ねてきた。  検討会における議論を踏まえて、「主要課題の対応方針及びバリアフリー法に基づく基本方針における第4次目標について(最終とりまとめ)」が公表されたことを受け、当該とりまとめの内容を基本方針に反映し、所要の改正を行う。 Ⅱ.改正の概要  基本方針の主要な改正項目は以下のとおり。 1.移動等円滑化の意義及び目標に関する事項  ①移動等円滑化の意義   ・バリアフリー分野のICT活用及び当事者参画の推進に関する記載の拡充  ②移動等円滑化の目標   ・目標期間を令和8年度から令和12年度までの5年間に設定    (現行目標期間は令和3年度から令和7年度までの5年間)   ・旅客施設に関する目標値の新設・引き上げ等    鉄軌道駅:    ▶ 1日当たりの平均的な利用者数が3000人以上である鉄軌道駅及び1日当たりの平均的な利用者数が2000人以上3000人未満であって重点整備地区内の生活関連施設である鉄軌道駅について、原則として全てについて、券売機がある場合には障害者対応型券売機の設置、移動等円滑化された経路に改札口がある場合には拡幅改札口の設置を行うという目標を新設する。    ▶ ホームドア又は可動式ホーム柵の設置番線数を、3000番線から4000番線に引き上げる。そのうち、1日当たりの平均的な利用者数が10万人以上の鉄軌道駅においては、800番線から900番線に引き上げる。    ▶ プラットホームと車両乗降口の段差及び隙間を縮小している番線数を、4000番線とする目標を新設する。    バスターミナル:    ▶ 移動等円滑化を実施する対象を、1日当たりの平均的な利用者数が3000人以上であるバスターミナル及び1日当たりの平均的な利用者数が2000人以上3000人未満であって重点整備地区内の生活関連施設であるバスターミナルから、1日当たりの平均的な利用者数が2000人以上であるバスターミナルに拡充する。      ・車両等に関する目標値の引き上げ    鉄道車両及び軌道車両:    ▶ 移動等円滑化を実施する割合を、総車両の約70%から約80%に引き上げる。    乗合バス車両:    ▶ ノンステップバスを導入して移動等円滑化を実施する割合を、総車両数(適用除外認定車両を除く)の約80%から約90%に引き上げる。    ▶ 1日当たりの平均的な利用者数が2000人以上である航空旅客ターミナルのうち鉄軌道アクセスがない施設へのバス路線を運行する乗合バス車両について、バリアフリー化した車両を含む運行として移動等円滑化を実施する割合を、当該施設へアクセスするバス路線の運行系統の総数の約50%から約60%に引き上げる。    船舶:    ▶ 移動等円滑化を実施する割合を、一般旅客定期航路事業及び旅客不定期航路事業の用に供する総隻数の約60%から約70%に引き上げる。   ・路外駐車場に関する目標値を、基準改正を踏まえて見直し    ▶ 車椅子使用者用駐車施設の設置数の最低義務基準を、「1以上」から「駐車場の規模に応じた数以上」とする基準改正を踏まえて、移動等円滑化を実施する特定路外駐車場の割合を、約75%から約35%に見直す。   ・建築物に関する目標値の新設・引き上げ    ▶ 移動等円滑化を実施する割合を、床面積の合計が2000平方メートル以上の特別特定建築物における総ストックの約67%から約70%に引き上げる。    ▶ 国、都道府県又は指定都市が行う特別特定建築物の公共建築工事のうち、原則として当該工事に係る部分の床面積の合計が2000平方メートル以上の全ての工事について、当事者参画を実施する目標を新設する。   ・基本構想等に関する目標値の新設    ▶ 当事者の参画の下、継続的にスパイラルアップに取り組んでいる自治体の割合を約60%とする目標を新設する。   ・心のバリアフリーに関する目標の変更    ▶ 「心のバリアフリー」の用語の認知度を約50%、高齢者、障害者等の立場を理解して行動ができている人の割合を原則約100%とする目標を、「障害の社会モデル」の理解度を約60%、障害のある人へ支援をしようとする人の割合及び多様な他者とコミュニケーションをとって行動しようとする人の割合を原則約100%とする目標に変更する。 Ⅲ.今後のスケジュール(予定)  公 布  令和7年中  施 行  令和8年4月