「財務省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(改正案)」に対する御意見の概要及び財務省の考え方


p1

No.1

御意見箇所
第2 2 合理的配慮
(1)合理的配慮の基本的な考え方

御意見の概要
次の記述と、差別にあたる事例、差別解消や合理的配慮の提供の事例として、下記のいずれかを加える。 
(記述)
「あらゆる相談や接遇の最初に、本人の希望を聞きとり、それを尊重するルールをもつ。あらゆる偏見を廃して、本人の話をよく聞くことから始める。」
「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」 
(事例)
・入院先で日常的に異性介助が行われている。女性の入浴や排泄や夜勤時の介助は女性の従事者にして欲しいと希望を出しても、対応されなかった。男性の介助を受けることを了承しなければ介助をしないと言われた。
・被害について、警察に話したが、目が見えないのに加害者についてわかるはずがない、知的障害があるから確かな話ではない、などの見方をされ、自分の話を信じてもらえなかったことがある。
・障害があるので妊娠や出産や子育ては大変だと、繰り返し言われてきたので、無理なのかなと思ってきた。
・障害がなかったころは積極的に産むように言われていた。障害をもつようになってから妊娠したときには中絶を勧められた。 
・グループホームにて利用者がカップルで暮らすにあたって、妊娠の可能性があるとの理由から、施設側が不妊処置を勧め、結果として、利用者が不妊処置を選択した。
・車いすユーザーの立場で、子育てについて福祉の窓口に相談した。障害のない保護者と同様に子どもと一緒に公園等に行きたいという願いが理解されず、外出時の育児支援はいまだに得られていない。

御意見に対する考え方
御意見の趣旨につきましては、「第2 2(1)合理的配慮の基本的な考え方」において記載をしており、また、事例につきましては、財務省所管事業分野に係る本対応指針の対象外であると考えますので、原案のとおりとさせていただきます。

No.2

御意見箇所
第2 2 合理的配慮
(1)合理的配慮の基本的な考え方
第3 事業者における相談体制の整備
第4 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する内部規則等の整備

御意見の概要
次の記述と、事例のいずれか(課題を示す事例および好事例)を加える。
(記述)
「女性からの相談は女性が受ける窓口態勢をとる。」「女性の接遇は女性がすることを基本とする。」「従事者の研修において、障害に加えて女性であることによる経験や課題について当事者から学ぶことを、必修プログラムに組み入れて実施し、業務や啓発に反映する。」
(事例)
・月経時のことについて相談窓口に詳しく話さなければならない場面があって、担当者は男性ばかりだったので話しづらかった。
・女性に対する暴力の相談にたずさわる担当者の研修に、毎回、「障害のある女性と複合差別」を設けて、それぞれ障害の異なる複数の女性を講師として招き、全員で意見交換を行っている。
・災害の防止や救援にかかわる担当者の必修研修に、災害時の障害のある女性ゆえの経験をテーマに、地元で課題に取り組んでいる障害のある女性を講師に招き、意見交換し、業務に反映させている。
・ガイドヘルパー予約の際に「買い物のガイドだから男性のガイドヘルパーでもいいですか?」と対応されがち。女性として同性のガイドヘルパーを希望する。“排泄や入浴などの介助ではないから男性でもいいでしょう”という見方から転換して、合理的配慮として認識してほしい。

御意見に対する考え方
御意見の趣旨につきましては、「第2 2(1) 合理的配慮の基本的な考え方」、「第3 事業者における相談体制の整備」及び「第4 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する内部規則等の整備」において記載をしており、また、事例につきましては、財務省所管事業分野に係る本対応指針の対象外であると考えますので、原案のとおりとさせていただきます。


p2

No.3

御意見箇所
別紙 
1 正当な理由がなく、不当な差別的取扱いに該当すると考えられる例

御意見の概要
13ページの改正後欄のエの1行目「本人」は「障害者本人」のほうがよい。

御意見に対する考え方
「本人」は「障害者本人」であることが自明ですので、原案のとおりとさせていただきます。

No.4

御意見箇所
別紙
2 正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例

御意見の概要
本改正案に新設されている「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」は全て削除すべきである。

御意見に対する考え方
御指摘の例示は基本方針に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。
なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。
いただいた御意見は今後の参考とさせていただきます。

No.5

御意見箇所
別紙
3 合理的配慮に該当すると考えられる配慮の例

御意見の概要
15ページの改正後欄の3行目「者」は「障害者」のほうがよい。
同4行目の例と同様に。

御意見に対する考え方
明らかな文章誤り又は誤解を与えるものではないため、原案のとおりとさせていただきます。

No.6

御意見箇所
別紙
3 合理的配慮に該当すると考えられる配慮の例

御意見の概要
15ページの改正後欄の4行目「個室トイレ」は「トイレの個室」のほうがよい。
同3行目の例と同様に。

御意見に対する考え方
明らかな文章誤り又は誤解を与えるものではないため、原案のとおりとさせていただきます。


No.7

御意見箇所
別紙
3 合理的配慮に該当すると考えられる配慮の例

御意見の概要
15ページの改正後欄の5行目「利用する」は「利用したい」のほうがよい。

御意見に対する考え方
明らかな文章誤り又は誤解を与えるものではないため、原案のとおりとさせていただきます。

No.8

御意見箇所
別紙
5 合理的配慮の提供義務違反に該当しないと考えられる例

御意見の概要
「合理的配慮の提供義務違反に該当しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべきである。

御意見に対する考え方
御指摘の例示は基本方針に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。
なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。
いただいた御意見は今後の参考とさせていただきます。


p3

No.9

御意見箇所
別紙
6 合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例

御意見の概要
18ページの改正後欄の6行目「本人」は「障害者本人」のほうがよい。

御意見に対する考え方
「本人」は「障害者本人」であることが自明ですので、原案のとおりとさせていただきます。

No.10

御意見箇所
別紙
6 合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例

御意見の概要
18ページの改正後欄の7行目「代筆する(合理的配慮の提供)。」は「代筆すること。(合理的配慮の提供)」のほうがよい。同1行目の例と同様に。

御意見に対する考え方
明らかな文章誤り又は誤解を与えるものではないため、原案のとおりとさせていただきます。

No.11

御意見箇所
別紙 障害を理由とする不当な差別的取扱い、合理的配慮等の例

御意見の概要
次の記述を加える。かつ、課題の多い現状を伝える事例を加える。
(記述)
「包括的性教育の実施に取り組む。」
(事例)
・特別支援学校で、他人と距離をとるように指導された。
・教員に服を脱ぐようにいわれ、教員の言うことなので従うしかなく、性行為の直前で他者に発見された。本人(障害のある女生徒)はおかしい、いやだと思ってはいたが、教員にいわれたことは従うように教えられてきたため、抵抗したり、助けを求める声をあげたりすることはできなかった。
・妊娠を望んでいなかったが、交際相手が避妊をせず、性行為をした。そのことに対して「抵抗もせず、何も言わなかった」ため、同意しているとみなされ、妊娠を回避できなかった。
・妊娠の自覚があったが、医療機関に行って受診することができず、周囲に相談することもできなかった。

御意見に対する考え方
御意見の趣旨及び事例につきましては、財務省所管事業分野に係る本対応指針の対象外であると考えますので、原案のとおりとさせていただきます。

No.12

御意見箇所
別紙 障害を理由とする不当な差別的取扱い、合理的配慮等の例

御意見の概要
次の記述を加える。かつ、下記の事例のいずれかを加える。
(記述)
「障害別および性別によって特定の職業や職種に結びつける対応や進路を狭める対応をしない。本人の希望と適性を職業選択に活かせるように対応する。」
(事例)
・知的障害のある女性だからと、いつも手仕事が用意された。どんな仕事をしたいか、希望を聞かれたことがない。
・「聴覚障害があるから、人と会話することがない、手を動かす仕事を」と、小学校低学年から推奨された。女性には縫製や理髪の職業コースがあった。本人の希望や適性とはかけはなれているために離職した人も多い。
・「修士課程の次には博士課程に進み、大学で研究者として頑張りたい」と教員に伝えたところ、「あなたはろう者で女性だから大学への就職はできない。研究所にしか就職先はない」と言われた。

御意見に対する考え方
御意見の趣旨及び事例につきましては、財務省所管事業分野に係る本対応指針の対象外であると考えますので、原案のとおりとさせていただきます。