【別紙】 p1 第3 事業者における相談体制の整備 第4 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消に資する制度等の整備 番号1 御意見の概要 相談及び研修・啓発について、次の記述と事例のいずれかを加える。 (記述) ・女性からの相談は女性が受ける窓口態勢をとる。 ・女性の接遇は女性がすることを基本とする。 ・従事者の研修において、障害に加えて女性であることによる経験や課題について当事者から学ぶことを、必修プログラムに組み入れて実施し、業務や啓発に反映する。 (事例) ・月経時のことについて相談窓口に詳しく話さなければならない場面があって、担当者は男性ばかりだったので話しづらかった。 ・女性に対する暴力の相談にたずさわる担当者の研修に、毎回、「障害のある女性と複合差別」を設けて、それぞれ障害の異なる複数の女性を講師として招き、全員で意見交換を行っている。 ・災害の防止や救援にかかわる担当者の必修研修に、災害時の障害のある女性ゆえの経験をテーマに、地元で課題に取り組んでいる障害のある女性を講師に招き、意見交換し、業務に反映させている。 ・ガイドヘルパー予約の際に「買い物のガイドだから男性のガイドヘルパーでもいいですか?」と対応されがち。女性として同性のガイドヘルパーを希望する。“排泄や入浴などの介助ではないから男性でもいいでしょう”という見方から転換して、合理的配慮として認識してほしい。 回答 「第3 事業者における相談体制の整備」においては、相談時に性別、年齢、状態等に配慮することが望ましい旨、「第4 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する制度等の整備」においても、性別や年齢等にも配慮しながら適切に対応することが重要である旨を記載しております。 いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 p2 番号2 御意見の概要 教育・研修・啓発について、次の記述及びいずれかの事例を加える。 (記述) ・包括的性教育の実施に取り組む。 (事例) ・特別支援学校で、他人と距離をとるように指導された。 ・教員に服を脱ぐようにいわれ、教員の言うことなので従うしかなく、性行為の直前で他者に発見された。本人(障害のある女生徒)はおかしい、いやだと思ってはいたが、教員にいわれたことは従うように教えられてきたため、抵抗したり、助けを求める声をあげたりすることはできなかった。 ・妊娠を望んでいなかったが、交際相手が避妊をせず、性行為をした。そのことに対して「抵抗もせず、何も言わなかった」ため、同意しているとみなされ、妊娠を回避できなかった。 ・妊娠の自覚があったが、医療機関に行って受診することができず、周囲に相談することもできなかった。 回答 本対応指針は法務省所管事業(更生保護事業)分野についての対応指針であり、御意見の内容については、本対応指針の対象外の事項であると考えます。 p3 番号3 御意見の概要 次の記述及び事例のいずれかを加える。 (記述) ・あらゆる相談や接遇の最初に、本人の希望を聞きとり、それを尊重するルールをもつ。あらゆる偏見を廃して、本人の話をよく聞くことから始める。 ・障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。 (事例) ・入院先で日常的に異性介助が行われている。女性の入浴や排泄や夜勤時の介助は女性の従事者にして欲しいと希望を出しても、対応されなかった。 ・被害について、警察に話したが、目が見えないのに加害者についてわかるはずがない、知的障害があるから確かな話ではない、などの見方をされ、自分の話を信じてもらえなかったことがある。 ・障害があるので妊娠や出産や子育ては大変だと、繰り返し言われてきたので、無理なのかなと思ってきた。 ・障害がなかったころは積極的に産むように言われていた。障害をもつようになってから妊娠したときには、中絶を勧められた。 ・グループホームにて利用者がカップルで暮らすに当たって、妊娠の可能性があるとの理由から、施設側が不妊処置を勧め、結果として、利用者が不妊処置を選択した。 ・車椅子ユーザーの立場で、子育てについて福祉の窓口に相談した。障害のない保護者と同様にこどもと一緒に公園等に行きたいという願いが理解されず、外出時の育児支援はいまだに得られていない。 回答 「第2 2(1)合理的配慮の基本的な考え方」において、障害者本人の意思を尊重しつつ、建設的対話を通じて相互理解を深め、様々な対応策を柔軟に検討していくことについて示されています。 いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 p4 (別紙) 障害を理由とする不当な差別的取扱い、合理的配慮等の例 番号4 御意見の概要 次の記述及びいずれかの事例を加える。 (記述) ・障害別および性別によって特定の職業や職種に結びつける対応や進路を狭める対応をしない。本人の希望と適性を職業選択に活かせるように対応する。 (事例) ・知的障害のある女性だからと、いつも手仕事が用意された。どんな仕事をしたいか、希望を聞かれたことがない。 ・「聴覚障害があるから、人と会話することがない、手を動かす仕事を」と、小学校低学年から推奨された。女性には縫製や理髪の職業コースがあった。本人の希望や適性とはかけはなれているために離職した人も多い。 ・「修士課程の次には博士課程に進み、大学で研究者として頑張りたい」と教員に伝えたところ、「あなたはろう者で女性だから大学への就職はできない。研究所にしか就職先はない」と言われた。 回答 雇用分野における障害者差別を解消するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)の定めるところによることとされており、本対応指針の対象外の事項であると考えます。また、その他の御意見についても、本対応指針は法務省所管事業(更生保護事業)分野についての対応指針であり、御意見の内容については、本対応指針の対象外の事項であると考えます。 番号5 御意見の概要 新設されている「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」は一律に正当化事由にあたるとの誤解や拡大解釈を招く恐れがあるため、全て削除すべきである。 また、「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべきである。 回答 御指摘の例示は基本方針に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。 なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。いただいた御意見は今後の参考とさせていただきます。