p1   環境省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領の改正案に対する御意見とその考え方  番号 1 該当箇所 本文 第1条(目的) 御意見の概要(意見)・1ページの7行目の「以下」は後段のどの記載を指すのか? 御意見に対する考え方 ご指摘のとおり、7行目以降で単独で「対応要領」という用語を使用している箇所はなかったため、「(以下「対応要領」という。)」については削除します。  番号 2  該当箇所 本文 第7条(研修・啓発) 御意見の概要(意見)・2ページの最下行から5行上「法や基本方針等」の「等」は、法、基本方針以外の何を含むのか? 御意見に対する考え方 「法や基本方針等」の「等」は、法、基本方針以外には「環境省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」及び「環境省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」を含みます。  番号 3 該当箇所 本文 第4条(監督者の責務)  御意見の概要(意見)・2ページの5行目「障害者等」の「等」は、障害者以外の誰が含まれるのか? 御意見に対する考え方 「障害者等」の「等」は、障害者以外にはその家族その他の関係者を含みます。  番号 4  該当箇所 別紙 第4(合理的配慮の基本的な考え方)  御意見の概要(意見)・6ページの23行目「障害のある女性」には「女性の障害者」だけではなくて「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にないもの」も含むのか? 御意見に対する考え方 「障害のある女性」には「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にないもの」は含みません。  番号 5  該当箇所 別紙 第4(合理的配慮の基本的な考え方) 御意見の概要(意見)・6ページの最下行から4行上「家族、支援者・介助者、法定代理人等」は「その家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者」のほうがよい。同6行上の例と同様に。  御意見に対する考え方 表現の繰り返しになることから、「コミュニケーションを支援する者」については省略した記載を維持することとします。  番号 6  該当箇所 別紙 第6(合理的配慮の例)   御意見の概要(意見)・7ページの最下行から10行上の文頭「なお」は一字下げたほうがよい。 御意見に対する考え方 「なお、記載した例は~」については段落を分けないこととします。  番号 7  該当箇所 別紙 第4(合理的配慮の基本的な考え方)  御意見の概要(意見)次の記述および、事例のいずれかを加える。 (記述)「あらゆる相談や接遇の最初に、本人の希望を聞きとり、それを尊重するルールをもつ。あらゆる偏見を廃して、本人の話をよく聞くことから始める。」「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」 (事例)入院先で日常的に異性介助が行われている。女性の入浴や排泄や夜勤時の介助は女性の従事者にして欲しいと希望を出しても、対応されなかった。 (事例)車いすユーザーの立場で、子育てについて福祉の窓口に相談した。障害のない保護者と同様に子どもと一緒に公園等に行きたいという願いが理解されず、外出時の育児支援はいまだに得られていない。 (意見の理由)このような加筆が、相談することや本人が希望を出すこと自体が困難になっている状況の打開につながる。第五次障害者基本計画に「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」が新設された。あらゆる現場にかかわることなので、環境省の対応要領の本文にも加えられたい。 御意見に対する考え方 留意事項 第4 合理的配慮の基本的考え方において、障害者本人の意向を尊重しつつ、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされる必要があるとしています。また、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意することとしています。頂いた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 番号 8  該当箇所 別紙 第4(合理的配慮の基本的な考え方) 御意見の概要(意見)次の記述と、事例のいずれか(課題を示す事例および好事例)を加える。 (記述)「女性からの相談は女性が受ける窓口態勢をとる。」「女性の接遇は女性がすることを基本とする。」「従事者の研修において、障害に加えて女性であることによる経験や課題について当事者から学ぶことを、必修プログラムに組み入れて実施し、業務や啓発に反映する。」        (事例)月経時のことについて相談窓口に詳しく話さなければならない場面があって、担当者は男性ばかりだったので話しづらかった。        (事例)災害の防止や救援にかかわる担当者の必修研修に、災害時の障害のある女性ゆえの経験をテーマに、地元で課題に取り組んでいる障害のある女性を講師に招き、意見交換し、業務に反映させている。        (意見の理由と補足)改定障害者差別解消法基本方針には「各種啓発活動や研修等の実施に当たっては、障害のある女性は、障害があることに加えて女性であることにより合理的配慮の提供を申し出る場面等において機会が均等に得られなかったり、不当な差別的取扱いを受けやすかったりする場合があるといった意見があること(中略)についても理解を促す必要があることに留意する。」と定められた。今後の対応要領にはこの一文をふまえた記述が必要である。 御意見に対する考え方 留意事項 第4 合理的配慮の基本的考え方において、障害者本人の意向を尊重しつつ、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされる必要があるとしています。また、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意することとしています。頂いた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 p2 番号 9  該当箇所 別紙 第3(不当な差別的取扱いの例) 御意見の概要 (意見の趣旨)本改正案に新設されている「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」は全て削除すべきである。 (意見の理由)対応要領においては、正当化事由の具体例を示すべきでない。なぜなら、差別的取扱いの事例は合理的配慮の提供により、区別、排除又は制限等を回避でき、合理的配慮の不提供の問題に集約される場合がほとんどであり、正当化事由の適切な具体例が見当たらないこと、また、正当化事由に当たるか否かは事案ごとに異なり、その多様性が大きいにもかかわらず、正当化事由に当たる具体例を挙げてしまうと、そのような場合は一律に正当化事由に当たるとの誤解や拡大解釈を招き、障がいのある人の権利保障が後退しかねないからである( 2 0 1 5年7月1 6日付け日本弁護士連合会「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律のガイドラインについての意見書」8頁及び2 0 2 3年 1月1 2日付け日本弁護士連合会「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(改正案)に対する意見」を参照。)。         例えば、「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」として本改正案に示されている「実習を伴う講座において、実習に必要な作業の遂行上具体的な危険の発生が見込まれる障害特性のある障害者に対し、当該実習とは別の実習を設定する。」という例は、「具体的な危険の発生が見込まれる障害特性」の内容が不明確であり、障害が「具体的な危険」を包摂するものという誤解を与えかねない表現である。          また、本改正案で「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」として記載されているのは、いずれも障害があることはサービス利用を拒否する「正当な理由」としては認められないが、合理的配慮を提供することでサービスの利用拒否を回避できた事例であり、「正当な理由がある」例として列挙するのは不適切である。  御意見に対する考え方 御指摘の例示は基本方針に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。なお、掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。頂いた内容は、御意見として承り、今後の参考とさせていただきます。  番号 10  該当箇所 別紙 第6(合理的配慮の例)  御意見の概要 (意見の趣旨)「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべきである。 (意見の理由)「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべきである。   この点、本改正案において「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」として挙げられている「事務の一環として行っていない業務の提供を求められた場合に、その提供を断ること。」は、「事務の一環として行っていない業務」の内容が不明確であり、そのため、合理的配慮は「事務の一環として行っていない業務」であるなどとして合理的配慮が提供されない事態を招きかねない表現である。誤解や拡大解釈につながる危険性が極めて高く、不適切であって、例として挙げるべきではない。   また、「イベント当日に、視覚障害のある者から職員に対し、イベント会場内を付き添ってブースを回ってほしい旨頼まれたが、混雑時であり、対応できる人員がいないことから対応を断ること。」の例については、付添いが「過重な負担」か否かは、イベントの規模、人的体制の整備状況などによって様々である。むしろ、この事例については、具体的場面や状況に応じた代替措置などを追記し、「合理的配慮を提供することでサービスの利用拒否を回避できる事例」として示すべきである。 さらに、合理的配慮の提供義務に反しない例を挙げる場合は、このように影響が大きい対応要領に記載するのではなく、より具体的な内容を記載することで、事例を十分精査でき、判断要素や判断過程を書き込むことのできるマニュアル等に記載するべきである。 御意見に対する考え方 御指摘の例示は基本方針に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。なお、掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。頂いた内容は、御意見として承り、今後の参考とさせていただきます。  番号 11  該当箇所 別紙 第6(合理的配慮の例)   御意見の概要 (意見)「合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例」として、下記に引用の例が、環境省対応指針案に掲載されている。この例を、対応要領にも記載する。かつ、対応要領に、記述「府省庁のウェブサイトでPDF版で提供する文書は、テキストデータ版をはじめ、障害のある人がアクセスしやすい形で提供する」を加える。         (引用:)〇 オンラインでの申込手続が必要な場合に、手続を行うためのウェブサイトが障害者にとって利用しづらいものとなっていることから、手続に際しての支援を求める申出があった場合に、求めに応じて電話や電子メールでの対応を行う(合理的配慮の提供)とともに、以後、障害者がオンライン申込みの際に不便を感じることのないよう、ウェブサイトの改良を行う(環境の整備)。         (意見の理由)この引用例は、民間事業者において重要であると同時に、特に府省庁が率先する必要があ。環境省公式サイトの文書提供はほぼPDFとなっている。PDFのみの状況は、視覚に障害がある人等にとって非常に利用しにくく、社会的障壁となり、大きな不利益をもたらしている。法令・計画・会議資料のテキストデータ等を提供している内閣府サイト「障害者施策」をモデルに、省庁をこえて推進されたい。 御意見に対する考え方 本要領は、法第7条に規定する事項に関して定められるものであり、ウェブサイトの改良などの環境の整備については、別途、適切に対応してまいります。  ※上記のほか、障害者施策全般に関わる御意見等を多数いただきました。