(別添) (環境省)「環境省所管分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(案)」に対する御意見とその考え方 番号1 全体 御意見  次の記述を加える。かつ、下記の事例のいずれかを加える。 記述「障害別および性別によって特定の職業や職種に結びつける対応や進路を狭める対応をしない。本人の希望と適性を職業選択に活かせるように対応する。」 (事例)知的障害のある女性だからと、いつも手仕事が用意された。どんな仕事をしたいか、希望を聞かれたことがない。 (事例)「聴覚障害があるから、人と会話することがない、手を動かす仕事を」と、小学校低学年から推奨された。本人の希望や適性とはかけはなれているために離職した人も多い。 (事例)「修士課程の次には博士課程に進み、大学で研究者として頑張りたい」と教員に伝えたところ、「あなたはろう者で女性だから大学への就職はできない。研究所にしか就職先はない」と言われた。 考え方  事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「法」という。)第13条により、障害者の雇用の促進等に関する法律の定めるところによることとされています。 番号2  第二 2 合理的配慮 御意見  次の記述および、事例のいずれかを加える。 記述  「あらゆる相談や接遇の最初に、本人の希望を聞きとり、それを尊重するルールをもつ。あらゆる偏見を廃して、本人の話をよく聞くことから始める。」  「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」 (事例)入院先で日常的に異性介助が行われている。女性の入浴や排泄や夜勤時の介助は女性の従事者にして欲しいと希望を出しても、対応されなかった。 (事例)車いすユーザーの立場で、子育てについて福祉の窓口に相談した。障害のない保護者と同様に子どもと一緒に公園等に行きたいという願いが理解されず、外出時の育児支援はいまだに得られていない。 考え方  「第二 2(1)合理的配慮の基本的な考え方」において、障害者本人の意思を尊重しつつ、建設的対話を通じて相互理解を深め、様々な対応策を柔軟に検討していくことについて示されています。いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。" 番号3 第三 事業者における相談体制の整備 第四 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する制度等の整備 御意見  相談および研修・啓発について、次の記述と、事例のいずれか(課題を示す事例および好事例)を加える。 記述 「女性からの相談は女性が受ける窓口態勢をとる。」「女性の接遇は女性がすることを基本とする。」「従事者の研修において、障害に加えて女性であることによる経験や課題について当事者から学ぶことを、必修プログラムに組み入れて実施し、業務や啓発に反映する。」 (事例)月経時のことについて相談窓口に詳しく話さなければならない場面があって、担当者は男性ばかりだったので話しづらかった。 (事例)災害の防止や救援にかかわる担当者の必修研修に、災害時の障害のある女性ゆえの経験をテーマに、地元で課題に取り組んでいる障害のある女性を講師に招き、意見交換し、業務に反映させている。 考え方  「第三 事業者における相談体制の整備」においては、相談時に性別、年齢、状態等に配慮することが望ましい旨、「第四 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する制度等の整備」においても、性別や年齢等にも配慮しながら適切に対応することが重要である旨を記載しております。いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 番号4 第四 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する制度等の整備 御意見  教育・研修・啓発について、次の記述を加える。かつ、具体的に伝えるために、下記のいずれかの事例を加える。 記述 「包括的性教育の実施に取り組む。」 (事例)教員に服を脱ぐようにいわれ、教員の言うことなので従うしかなく、性行為の直前で他者に発見された。本人(障害のある女生徒)はおかしい、いやだと思ってはいたが、教員にいわれたことは従うように教えられてきたため、抵抗したり、助けを求める声をあげたりすることはできなかった。 (事例)妊娠の自覚があったが、医療機関に行って受診することができず、周囲に相談することもできなかった。 考え方  本対応指針は環境省の所管事業分野についての対応指針であり、御意見の内容については、本対応指針の対象外の事項であると考えます。 番号5 別紙 2 正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例 御意見 「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」は全て削除すべき。 考え方 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)」に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。いただいた御意見は、今後の参考とさせていただきます。 番号6 別紙 4 合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例 御意見 (質問)聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和2年法律第53号、以下「法」という。)第1条の規定のとおり、電話リレーサービスは聴覚障害者等による電話の利用を円滑化することを目的としたものであるが、対応指針案では同サービスが電話以外の手段又は電話の代替措置と位置づけられているように読めてしまい、聴覚障害者等による電話の利用促進という電話リレーサービスの趣旨目的から見ると、法の考え方と相違が生じてしまっているように考えられる。法と対応指針の考え方の異同について具体的に説明されたい。 (意見)法第1条に示された聴覚障害者等による電話利用の円滑化という電話リレーサービスの目的に照らすと、電話リレーサービスを電話以外の手段又は電話の代替措置と位置付けるのは法の規定ぶりと齟齬が生じ、不適切である。加えて、電話リレーサービスを介することで電話利用を可能ならしめているのだから、主語を「電話利用が困難な障害者」とするのも望ましくない。同旨の例示を置く「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」(令和5年3月14日閣議決定)から引用したものと思われるが、以上のとおり本例示は適切でないのだから、電話リレーサービスに係る例示の箇所は全面的に再検討すべきである。 考え方  本例示は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)」において記述されており、これに即して定めることとされている本対応指針においても同様の記述としております。なお、法と対応指針の考え方の異同については、同基本方針の作成を担当している内閣府にお問い合わせください。 番号7 別紙 5 合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例 御意見 「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべき。 考え方 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)」に基づき記載したものであるため、いずれも原案のとおりとさせていただきます。なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。いただいた御意見は、今後の参考とさせていただきます。